qf34の日記

こんにちは〜

大豆田とわ子と三人の元夫 10話/考

 

西園寺くんの宿題をするうた

とわこ『間違ったことだよね?』

鹿太郎『う〜ん』八作『なるほど』

のやりとりにみえる八作の父親ぶり。


どう転んでも道徳的に間違っていることだとわかっていつつも、鹿太郎はうたを傷付けない言葉を探した結果の"う〜ん"。一方の八作は、感情的に怒る母親とわこと間違ったことをしているとわかりながらも引けない娘うたに挟まれた、父親の"なるほど"で、この一見どっちつかずのようにも聞こえる"なるほど"の後には、うたはどう思ってるの?のニュアンスがあって、家族父親の役割果たしてるんだな〜と思った。


うた『西園寺くんの方が医大に入りやすいでしょ。出世しやすいでしょ。それが私たちの現実じゃん。』

現実なんだよな。これはうたの頭脳が足りないという話じゃなく、近年話題の医大入試の女子減点の風刺かなと思った。


女子減点の話は、現状の医学界の勤務形態を考えると、そうだよな〜と思う部分もあるよね。体力とか妊娠とか出産とか。男性の体力が女性に比べて秀でているのは研究結果として医学がいちばんわかってるから、これから教育する人に男性を増やしておきたい意図はわかる。譲歩はできるけど、それを今から医者を目指す若者に言わせてしまっている環境はどうなんだろうね。その様な色々を理解した上で、医者を目指したい人を我々医学会は歓迎しますし、そんなことでいちいち感傷的になってる様な人は医者になったら通用しませんからご辞退願います、ってことなんだろうか。


下が生きやすい未来を作るのが上の役目だけど、いま現場で活躍してる女性医師は苦しい中で這い上がってきた自負があるわけだから、本気ならできるよとでも言うんじゃなかろうか。男性医師は言わずもがな、昔からぬくぬく存在していらっしゃるから"私たちは平等ですよ、差別はありません"な謎仏見解を一貫するだろうし。フェミニズムにしろ何にしろ、この手の話題についてある側があるって言ってることはあるわけで、ない側は高みの見物でいいご身分だなといつも思う。私は医療系界隈の現場の人間でもないから、そろそろこの話はやめておこうな。はい〜。


ついでにその後、鹿太郎が"なるほど“を取り入れてて、そういうところが嫌…と思った。終盤でも、風呂の水が川に流れ海にたどり着く〜みたいな話をしていたのもなんか嫌だった。本当にずっと生理的に無理な男だった。


腹を立てたとわこが、西園寺くんに電話で反論したところ"いい奥さんになる練習"と言い切る西園寺くん、モラハラ男…男尊女卑の思想…とわなわなしたけど、その後すぐ"徐々に私が教育していけば良い話でしょ"のうた、こちらもこちらで男を下に見ている描写で興味深かった。共依存的な関係というか。お互いに相手を下に見ることで自分を保っていてキツかった。


とわこが謝罪のために西園寺邸を訪れたとき、チャイムを鳴らすたび西園寺くんがすぐに出てあーだこーだぴーちくぱーちく言っていたけど、本当に勉強してる人はそんなこと出来ないから勉強本当はしてないんじゃないの?わかるわかる〜親がいないとごろごろするよね〜いてもするけど、と斜に構えてみていた。


西園寺くんはそこそこのクズだけど、"落ちてしまえ"というとわこは大人気ないというか、リテラシーがないなと思ったな。傷つけようとして言ってる言葉だもんな〜。でも私は子持ちじゃないから、自分の子を邪険に扱った恋愛関係の相手奴にどう接してしまうかとか、どういう感情が湧いてくるかとか想像しきれない…と思うとちょっと悲しくなっちゃった。


亡きとわこ母が残した出さなかったマーさんへの手紙を見て、問答の末会いに行くとわこ&うた。結構きつくてしんどかった。なんで亡くなった人の時間を勝手に進めるんだろう。故意に出さないまま亡くなったのに、自分が気になるからと勝手に行動してもいいものなの?親子といえど境界線が曖昧すぎでは?亡くなったかごめの話をひげ(小鳥遊)にしたとき、ひげが"人生って小説や映画じゃない。幸せな結末も悲しい結末もやり残したことはひとつもない。あるのはその人がどういう人だったかということだけです。"と話して、感銘を受け助けられていたはずなのにな。


その帰り道、医大受験を再度心に決めたうたが"理由をいうのも感想をいうのも嫌なんだけど〜"っていうのがなんかよかった。そういうときある。


大豆田父がとわこ家にやってきて、風呂に入りビールを飲んで"あなたは偉いなひとりでそんなに立派になって"と言って少し哀愁を漂わせるシーンがあったけど、そんな呪いみたいな言葉よくかけれるな〜と皮肉混じりに関心した。


とわこ家に"お土産っていります?"なしんしんがハワイ帰りで英字新聞シャツ片手にやってきて、仕草がアメリカンになってたのかわいかったし、日焼けして暖色蛍光灯の下でもわかるほど肌が小麦色になってるのもかわいかった。


とわこが眠って、八作鹿太郎しんしんがキャンドル焚きまくるところ"トッケビ…"と思ってた、トッケビめっちゃすきなので。そこで八作が"まあ、これがずっと続くわけではないですしね"と今の状況をさらりと発言するけど、それが何事にもいつか終わりがあるということをしっかり理解してる人のそれで、良かった。


10話は総じて、アナザーストーリーを纏めた感じがあったというか、終わりとしては締まりがないというか、よっぽど9話の方が最終回らしさがあったなと思ったのだけど、それもこのドラマの良いところなのかなと思った。人生都合よくピークを迎えるわけでもないし、又人によって感じ方も違うわけだから、この人たちの生活はまだまだ続いていきますよ〜といった制作意図を感じた。