大豆田とわ子と三人の元夫 9話/考

ひげからマレーシアに一緒に行こうと言われて、それってプロポーズじゃんとうたとわいわいしているところで、うた『女としてのこれ以上の幸せないじゃん』がよかった。

ある程度歳を重ねると主語が大きい言葉だったり、結婚の話題は神経を尖らせてしまいがちだけど、16歳の女の子が言うとすごく純で、すうっと頭に入ってきて、そうだな…と素直に思った。

バッティングセンターでとわこが着ていたチェリー柄の服、19SSのフィリップリムだった。かわいい。このドラマのスタイリング、役が生きてる感じがしなくてあんまり好きじゃないんだが、昔のシーズンのものを引っ張ってこられると生活してるんだな〜と思えて、今作で初めていいなあと思った。

しんしんだけ、電話とかラインじゃなくてすぐ会いに行って伝えてしまうのかわいいね。とわこの家にも八作の店にもすぐ行くのかわいい。

犬の先輩の家にも、八作の店にも同じワッフルを手土産にもって行っててレパートリーが少ない感じというか、とりあえずどこかに伺うときは手土産を持っていくっていう、しんしんの機械的な行動が垣間見えて良かった。お土産はそれっていります？なのに手土産はもっていくんだね。それとも1年経って考えが変わったのか。人って変わるもんねぇ。

しんしん『もしかしたら続編があるかもね。』

とわこ『続編は一作目を越えられないよ。』

シーズン2もシーズン3もシーズン1の続編でしかないのか。しんしんは自分との続編のつもりで話し始め、とわこは八作が本編で鹿太郎としんしんは続編だという含みをもたせて返し、しんしんはそれにきっと気付いたね。

マディソンの不正をリークしたのは、ひげ本人なのかな。自分でリークしたから冷静にデートができたし、リークの見返りに任意の事情聴取で済むと知っていた？でもロジカルな人だから自分の状況を客観的にみたらこう、とわかるものなのかも。いかんせん、ひげは信用度が低いから全ての行動が怪しく見える。私はマレーシアの家の写真がデータじゃなく現物で、なぜかフィルム調で、しかも封筒から出てくるのもなんで？と疑っていた。

公私を綺麗に分けたいひげが、プライベートの付き合いであるとわこに影響を受けて恩師や会社に後腐れない退社をしたくなったんだとしたら？ひげもマレーシアで好きなことや数学に時間を費やして、人生がなかった期間の弔いと昇華をして幸せに生きてほしいよ。本当にマレーシア行くのかな。次週でマディソンの新CEOになってたらどうしよう。笑

八作がとわこの家にやってきて、インターホン越しに"君を好きになって君と結婚して幸せだった"って言ったシーン、家の中に入れてくれないことを悟った瞬間の哀しみを一瞬瞼がピクッとしただけでしっかり表現していて引き込まれてしまった。あ…今悲しくなった…ってわかった。

そのあと、パスタが伸びちゃったとわこだったけど動揺していて、はじめて知ったんだろうな。自分だけがそう感じてたと思っていたんだろうな。

とわこと八作のパラレルワールドの物語、お互いがいまも好きで大切に思っているってことがうまく表現されていて良かった。今はオペレッタで働く八作もスーツ姿で登場して、家庭があった場合は自分以外の人たちの人生を多少なりとも背負う意識があるのか、友達の誘いを断り会社勤めを続けているのだろうか。

なぜお互いが今もすきで大切に思ってると感じたかというと、昔関係があった人との現在とか未来の想像は、いまもその人に気持ちがないとしたくないし出来ない、しようとしても見えないものだと個人的に思うから。

離婚は好きじゃない大切じゃない愛してないの結論ではなくてふたりなりの形で、結婚も離婚も通過点にすぎず、過去になっていないふたりなんだろうな。互いに背中を任せられる存在なのかも。いいなあ〜〜。

最近BTSの色々を見てるから、"松田龍平 역시 진짜 (やっぱりめっちゃ)SUGA"とエンディングでラップしてるところを見て思った。でも作中は特にそう思わんから、俳優さんってすごいね。

個人的に今回のエンディングが今まででいちばん好みだった。松さんの"曖昧で純粋で私が自分で決めたしあわせの姿〜♪"のところがすごくすきなんだが、この歌詞がなんとなくとわこと八作のふたりの形にリンクしている気になった9話でした。